Woltの配達報酬は事業の収入で、副業なら所得20万円超、専業なら104万円超で申告が必要になる。判定はWolt単独ではなく、Uber Eatsや出前館と掛け持ちしているなら全社の合算です。この記事では申告ラインと経費、そしてWolt特有の「報酬の記録をどう残すか」を書きます。Wolt公式の配達パートナー向けページは2026-09-12時点で日本語ページに到達できなかったため、報酬の締め日や明細画面の仕様は未確認と明記しています。
この記事は令和8年分(2026年1〜12月の稼働、申告は2027年2月16日〜3月15日)を前提にしています。基礎控除は令和7年分95万円、令和8年分・令和9年分104万円、令和10年分以後99万円(合計所得金額132万円以下の場合。国税庁No.1199を2026-09-12に確認)。
Woltから受け取る配達報酬は、名目(配達ごとの報酬・距離分・インセンティブ・チップなど)にかかわらず、すべて配達という業務の収入です。申告が必要かどうかは報酬の総額ではなく、経費を引いた「所得」で判定します。
| 立場 | 所得税の確定申告 | 住民税の申告 |
|---|---|---|
| 会社員の副業(給与1か所・年末調整あり) | 給与以外の所得の合計が20万円超なら必要 | 20万円以下でも必要 |
| 専業(配達だけで生活) | 所得が104万円(令和8年分の基礎控除)を超えるあたりから。国保・国民年金の社会保険料控除があればラインは上がる | 所得税の申告をすれば不要 |
| 学生・扶養に入っている | 専業と同じ判定。扶養の判定は別の基準なので親の側にも影響する | 同上 |
| Uber Eats・出前館・menuと掛け持ち | 全社の報酬と経費を合算して判定 | 同上 |
住民税の申告先・期限・会社に知られない普通徴収の選び方は配達員の副業が20万円以下でも住民税の申告は必要にまとめています。掛け持ちの集計はmenu・Rocket Now配達員の確定申告に各社の明細の取り方も含めて書いています。
Woltは配達パートナーに源泉徴収票を出す立場ではありません。年間の収入を証明するのは自分で残した記録です。Wolt公式の配達パートナー向けページ(explore.wolt.com/couriers)は2026-09-12時点で日本語版に到達できず、報酬の締め日・支払日・明細画面の名称は確認できていません(未確認)。仕様に依存しない残し方を書きます。
配達のために払ったものが経費で、私用と兼ねるものは配達に使った割合だけ(家事按分)。割合の判定は所得税基本通達45-2で「業務に必要な部分が50%を超えるかどうか」、50%以下でも明らかに区分できる部分は経費にできます。Woltの配達員に多い自転車・バイクの場合、主な項目は次のとおりです。
| 支出 | 扱い | メモ |
|---|---|---|
| 自転車・バイク本体 | 10万円未満は買った年に全額、10万円以上は減価償却(自転車2年・バイク3年) | バイクの計算例は配達員のバイク減価償却 |
| パンク修理・タイヤ・オイル・整備 | 修繕費 | 配達に使う割合で按分 |
| ガソリン・充電代 | 車両費 | レシートかカード明細を残す |
| 自転車保険・自賠責・任意保険 | 損害保険料 | 国保・国民年金は経費ではなく社会保険料控除 |
| 配達バッグ・保冷剤・スマホホルダー・モバイルバッテリー | 消耗品費 | 配達専用なら全額 |
| レインウェア・グローブ | 消耗品費 | 配達用として買い配達で使うものに限る |
| スマホ通信費・本体 | 通信費 | 私用と兼ねるので稼働時間で按分 |
| 駐輪場・コインパーキング | 地代家賃 / 旅費交通費 | 領収書を取る |
| 自分の食事・飲み物、普段着、反則金 | 経費にならない | 罰金・科料・過料は国税庁No.2210で明記 |
車両別の一覧と10万円ルールは配達員の経費一覧に、軽貨物で稼働する人の車両費は軽貨物ドライバーの確定申告にまとめています。
配達の所得を「事業所得」と「業務に係る雑所得」のどちらで申告するかは、稼働日数や金額で機械的に決まりません。国税庁は、社会通念で判定するのが原則としたうえで、取引を記録した帳簿書類を保存していれば概ね事業所得、保存が無ければ原則として業務に係る雑所得としています(所得税基本通達35-2の注、令和4年10月7日付の解説)。会社員の副業で、収入が例年300万円以下かつ給与の10%未満なら個別判断になります。判定の中身と開業届の要否は配達員の開業届は出すべきかに書いています。
どちらで申告するにしても、白色申告で必要なのは「収入と経費を日々の合計で書いた帳簿」で、一つ一つの取引ごとでなく日々の合計をまとめて記載する簡易な方法で構いません(国税庁No.2080)。帳簿は7年、レシートや請求書は5年保存です。専業で本格的に続けるなら青色申告(複式簿記で55万円、e-Tax送信か電子帳簿保存で65万円の控除、国税庁No.2072)を検討する価値があります。
所得は30万円−12万円=18万円で、給与以外の所得が20万円以下なので所得税の確定申告は不要です(国税庁No.1900)。ただし住民税の申告は市区町村に必要です。Uber Eatsや出前館の報酬もあるなら全社を合算して判定するので、合計の所得が20万円を超えれば所得税の申告が必要になります。
銀行口座の入金履歴を1〜12月分出して、入金額を合計してください。入金は報酬の合計なので、それが年間の収入の下限になります。アプリの報酬履歴をさかのぼって表示できるなら、入金と週ごとの報酬が一致するかを確認して、差があれば理由(チップや調整など)をメモしておきます。翌年からは週ごとのスクショを習慣にしてください。
稼働日数や金額で機械的に決まる基準はありません。国税庁は、帳簿書類を記録・保存していれば概ね事業所得、保存が無ければ原則として業務に係る雑所得としています(所得税基本通達35-2の注と令和4年10月の解説)。会社員の副業で収入が例年300万円以下かつ給与の10%未満の場合は個別判断です。専業なら帳簿をつけて事業所得で申告するのが基本です。
リアル時給は、フードデリバリー配達員のための売上・経費管理アプリです。各社アプリの売上画面をスクショで選ぶだけでAIが自動記帳し、経費を引いた「リアルな時給」が稼働ごとに出ます。Wolt・Uber・出前館・menuなどプラットフォーム別に集計でき、年間の所得(申告ラインの判定に使う数字)と白色申告の収支内訳書ドラフトまでつながります。この記事で書いた「週1回のスクショ」がそのまま帳簿になります。
買い切り・サブスクなし・データは端末内保存 | ブラウザで使えるWeb版
いずれも2026-09-12に確認。Wolt公式の配達パートナー向けページ(explore.wolt.com/couriers)は同日時点で日本語版に到達できなかったため、報酬の締め日・明細画面の仕様は未確認です。