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軽貨物ドライバーの確定申告【黒ナンバーの車両費・減価償却・インボイスを求められたら】

Amazon Flex・宅配委託・軽バンで配送する個人事業主向け | 更新: 2026-09-12 | 根拠は国税庁No.2100・No.5404・No.6498・No.6501、国土交通省、Amazon Flex公式FAQ

車が最大の経費。買い方で落ち方が変わる。新車は4年、中古は2年、リースは毎月。ここを押さえれば軽貨物の申告は半分終わっています。

30秒で結論

この記事は令和8年分(2026年1〜12月の稼働、申告は2027年2〜3月)を前提にしています。基礎控除は令和8年度改正で令和8・9年分が104万円、令和10年分以後は99万円です(国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」)。

軽貨物ドライバーの申告は「事業所得」

Amazon Flexのように運営会社と直接業務委託する形も、宅配会社や運送会社の下請けとして日当や個建てで受ける形も、税務上は同じ「貨物軽自動車運送事業を営む個人事業主」です。Amazon FlexのFAQにも「デリバリーパートナーは個人事業主として、Amazon Flexで得た報酬にかかる税金を支払う責任がある」「Amazonは確定申告を代行しない」と明記されています。登録時に税務情報を出すのは源泉徴収のためではなく、税金の控除に使うためと書かれています。

収入は振込額ではなく報酬の総額で計上します。Amazon Flexは過去7日分を毎週水曜に支払う運用(規約上は配達完了後15日以内)なので、12月末の稼働分が1月に振り込まれても、その年の売上です。走行距離や駐車費用は支払われず自己負担と書かれているので、これらはすべて経費側で拾います。

車両の経費:買う・中古・リースで違う

新車を買った

軽貨物車(総排気量0.66L以下)の法定耐用年数は4年、定額法の償却率は0.250です。年の途中に買ったら月割。黒ナンバーだから「運送事業用(小型車3年)」が使えそうに見えますが、耐用年数の通達2-5-6で「運送事業用」は貨物自動車運送事業法第3条の許可を受けた者の車両と定義されています。軽貨物は同法の届出で営むので、個人の黒ナンバーは一般用の4年です。

計算例:180万円の新車軽バンを4月に納車、配達専用
年間 1,800,000円 × 0.250 = 450,000円
初年度は月割 450,000円 × 9/12 = 337,500円(2〜4年目は450,000円、5年目に残り1円まで)

中古を買った

法定耐用年数を全部過ぎた中古(4年落ち以上)は「4年×20%=0.8年」で2年未満なので2年。2年落ちなら「残り2年+2年×20%=2.4年」で端数切り捨ての2年(No.5404の簡便法)。中古軽バンはほぼ2年で落とせるので、初年度の経費が大きくなります。

リース・レンタル

月々のリース料・レンタル料はそのままリース料(賃借料)として経費。減価償却の計算は不要です。契約時の初期費用や返却時の原状回復費も経費になります。

私用と兼ねるとき

黒ナンバーの車で買い物にも行くなら、配達の走行距離÷総走行距離で按分します。按分の根拠は所得税基本通達45-2(業務に必要な部分が50%超、または明らかに区分できる部分)。月初にオドメーターをメモしておけば足ります。

車まわりの経費チェックリスト

支出勘定科目メモ
ガソリン代車両費 / 燃料費給油レシートは全部残す。カード明細でも可
任意保険(対人無制限・対物1億円以上)損害保険料Amazon Flexは加入必須と明記。保険料は全額経費
自賠責保険損害保険料車検時にまとめて払う分は期間按分が原則
軽自動車税(種別割)租税公課営業用の貨物軽は年3,800円(自家用は5,000円。横浜市・令和8年度)
車検代・重量税・整備・タイヤ車両費 / 修繕費車検の法定費用も経費
駐車場・コインパーキング・高速地代家賃 / 旅費交通費配達中のコインパーキングは領収書を必ず取る
貨物軽自動車安全管理者の講習費研修費令和7年4月から選任・講習・届出が義務(国土交通省)
台車・カゴ・スマホホルダー・作業着消耗品費配達専用のもの
スマホ通信費通信費私用と兼ねるので按分
反則金・罰金、自分の食事、国保・年金経費にならない。国保・年金は社会保険料控除で引く

2025年4月1日以降に黒ナンバーを取得した新規パートナーは、配達前に貨物軽自動車安全管理者の講習受講と選任・届出が必要と Amazon Flex のFAQにも書かれています。この講習費用も事業の経費です。

白色か青色か

初年度で帳簿に自信がなければ白色申告(収支内訳書)で問題ありません。帳簿は7年、領収書は5年保存(No.2080)。車を持って本格的にやるなら青色申告を検討する価値があります。複式簿記で貸借対照表を付けて期限内に出せば55万円、さらにe-Tax送信か電子帳簿保存で65万円の控除(No.2072)。青色なら10万円以上30万円未満(令和8年4月1日以後の取得は40万円未満)の備品を買った年に全額経費にできる特例もあります(措法28の2)。

インボイスを求められるケース

フードデリバリー各社は登録の有無で報酬を変えていませんが(配達員のインボイス記事)、軽貨物は事情が違います。元請けの運送会社や法人の荷主は、あなたに払う運賃の消費税を仕入税額控除したいので、適格請求書(インボイス)の登録番号を求めてくることがあります。登録していない人からの仕入れは、控除できる割合が令和8年10月1日から80%→70%に下がり、令和10年10月から50%、令和12年10月から30%と段階的に減るため(令和8年度改正)、元請け側の負担が今後さらに増えます。

登録すると免税事業者ではなくなり消費税を納めます(No.6501)。負担を抑える制度は次のとおり。

Amazon Flex のFAQにはインボイス登録を求める記載を確認できませんでした(2026-09-12時点)。契約先に求められていないなら、登録しない選択が原則です。

よくある質問

軽バンの購入代金は買った年に全額経費にできますか?

できません。10万円以上の車両は減価償却です。新車の軽貨物(総排気量0.66L以下)は耐用年数4年で毎年4分の1ずつ、年の途中に買った年は月割。中古で4年落ち以上なら簡便法で2年になります。黒ナンバーでも「運送事業用3年」には当たらず、一般用の4年です。

Amazon Flexだけならインボイス登録は必要ですか?

Amazon Flexの公式FAQには登録を求める記載を確認できませんでした(2026-09-12時点)。契約先から登録番号を求められていない免税事業者は、登録しないのが原則です。元請けの運送会社や法人荷主から求められた場合は、登録して2割特例(令和8年分まで)、令和9・10年分は3割特例で納税額を抑えられます。

フードデリバリーと軽貨物を掛け持ちしています。分けて申告しますか?

分けません。どちらも同じ人の事業所得なので、全部の報酬を合算し、経費も合算して1つの所得を出します。車を両方に使うなら、走行距離などの根拠で配達分を按分してください。副業なら合算した所得が20万円を超えたら所得税の確定申告、20万円以下でも住民税の申告は必要です。

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参考(一次資料)

いずれも2026-09-12に確認。