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配達員の経費一覧【何が落ちる・家事按分・10万円ルールを条文つきで】

Uber Eats・出前館・menuなどフードデリバリー配達員向け | 更新: 2026-09-12 | 根拠は国税庁タックスアンサーNo.2210・No.2100・No.2106・No.5404・所得税基本通達45-2

「配達に使った分」だけが経費。全額か、按分か、償却か。判断の順番はこの3つだけで、あとは根拠をメモに残せるかどうかです。

30秒で結論

この記事は令和8年分(2026年1〜12月の稼働、申告は2027年2〜3月)を前提にしています。申告が必要になるライン(副業20万円・専業の基礎控除)は Uber Eats配達員の確定申告 にまとめてあるので、ここでは経費だけを深掘りします。

車両別:自転車・バイク・車で落ちるもの

配達員の経費で金額が大きいのは車両まわりです。何で走っているかで項目が変わるので、車両別に並べます。

支出自転車バイク(原付含む)軽自動車・車勘定科目
本体の購入費10万円未満は消耗品費、以上は減価償却費
ガソリン・充電代◯(電動)車両費 / 旅費交通費
タイヤ・パンク修理・オイル・整備修繕費 / 車両費
自賠責・任意保険・自転車保険損害保険料
軽自動車税(種別割)・自動車税租税公課
車検・重量税◯(250cc超)車両費 / 租税公課
駐輪場・駐車場・コインパーキング地代家賃 / 旅費交通費
高速・有料道路旅費交通費
ヘルメット・ライト・鍵・ミラー消耗品費

◯は「配達に使った分が経費」という意味です。通勤や買い物にも使う車両なら、後述の按分で配達分だけを出します。

車両以外で落ちるもの

落ちないもの

家事按分:割合の決め方と根拠

私用と配達の両方に使うものは、所得税法45条1項1号で「家事上の経費」は経費にならないと決まっています。ただし所得税法施行令96条で、主たる部分が業務に必要で、その部分を明らかに区分できるものは区分した金額だけ経費にできます。「主たる部分」の判定は所得税基本通達45-2で「業務に必要な部分が50%を超えるかどうか」。50%以下でも、必要な部分を明らかに区分できれば、その部分を経費にして差し支えないと同じ通達に書いてあります。

つまり実務では「割合の根拠を説明できるか」がすべてです。配達員で説明しやすい根拠は次の3つ。

青色申告なら施行令96条2号で「取引の記録などに基づいて業務に直接必要だったことが明らかな部分」を経費にできます。白色でも考え方は同じで、割合の根拠をメモに残すことが唯一の防御です。

10万円ルールと減価償却

1つあたりの購入額で扱いが3段階に分かれます(国税庁No.2100)。

1つの購入額扱い
10万円未満買った年に全額経費(消耗品費)
10万円以上20万円未満3年で3分の1ずつ(一括償却資産)か、通常の減価償却のどちらか
10万円以上(青色申告者の特例)30万円未満なら全額その年の経費。令和8年4月1日以後の取得は40万円未満に拡大、年300万円まで、令和11年3月31日までの取得が対象(措法28の2)

金額は、免税事業者なら税込で判定します(No.2100注5)。配達員のほとんどは免税事業者なので、税込10万円が境目です。

耐用年数と償却率(定額法)

車両耐用年数定額法の償却率
自転車2年0.500
2輪・3輪自動車(バイク・原付)3年0.334
軽自動車(総排気量0.66L以下)4年0.250
その他の自動車6年0.167
計算例:15万円のバイクを7月に買い、稼働割合7割
年間の償却費 150,000円 × 0.334 = 50,100円
買った年は月割 50,100円 × 6/12 = 25,050円
配達分だけ 25,050円 × 70% = 17,535円(翌年からは 50,100円 × 70% = 35,070円)

年の途中で買ったら月割にします(No.2106)。中古で買った場合は、法定耐用年数を全部過ぎたものなら「法定耐用年数×20%」、一部過ぎたものなら「残り年数+経過年数×20%」で、2年未満は2年(No.5404)。3年落ち以上の中古バイクは2年で償却できます。

レシートと帳簿の保存

白色申告でも記帳と保存は義務です。収入と経費を書いた帳簿は7年、レシート・領収書は5年(No.2080)。日々の合計を書く簡易な方法で構いません。レシートを失くしたときの対処は Uber Eatsの記事 に書いています。

よくある質問

スマホ本体は経費にできますか?

できます。ただし私用と兼ねるので配達に使う割合だけを按分します。本体が10万円未満なら買った年の消耗品費、10万円以上なら減価償却です。通信費も同じ割合で按分し、根拠(稼働時間や稼働日数)をメモに残してください。

自賠責・任意保険・自転車保険と国民健康保険の違いは?

車両の保険(自賠責・任意保険・自転車保険)は損害保険料として経費になります。国民健康保険料と国民年金保険料は経費ではなく社会保険料控除で、払った全額を所得から差し引きます(国税庁No.1130)。引く場所が違うだけで、どちらも税金は減ります。

自転車を買い替えた年はどう処理しますか?

新しい自転車が10万円未満なら買った年に全額経費です。10万円以上なら耐用年数2年の減価償却(定額法の償却率0.500)で、年の途中に買ったら月割にします。古い自転車をまだ償却中なら、その残りは処分した年の経費(除却)にできます。

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参考(一次資料)

いずれも2026-09-12に確認。