今日やることは、手元の請求書を「止まった時に生活と仕事がどう壊れるか」と「遅れた時の罰の重さ」の2軸で並べ直し、督促状が来ている税金・国保・年金に先に電話することです。払う額は後で決めます。差し押さえまでの日数、延滞金や損害金の率、供給停止までの日数を一次資料の数字で表にし、住民税・国保・国民年金・所得税・家賃・電気ガス・カードローンの順番を決めます。
延滞金・延滞税の割合は令和8年(2026年1月1日〜12月31日)のものです。制度の運用は自治体や事業者で異なります。
お金が足りない時に困るのは、全部に少しずつ払って全部が滞納になることです。先に決めるのは金額ではなく順番で、順番は次の2つで決まります。ひとつは、止まった時に生活や仕事がどう壊れるか。もうひとつは、遅れた時の罰の重さで、延滞金の率、差し押さえまでの日数、給付が止まるかどうかです。7つの支払いを一次資料の数字で並べると次のようになります。
| 支払い | 止めた時に起きること | 罰の重さ | 強制力 | 連絡で止まるか |
|---|---|---|---|---|
| 住民税(普通徴収) | 納期限後20日以内に督促状、発送日から10日経過で差押え可(地方税法第329条・第331条) | 延滞金 年2.8%、1か月を過ぎると年9.1% | 市区町村が裁判所なしで差押え | 分納の約束・徴収猶予・換価の猶予で実務上止まる |
| 国民健康保険 | 督促後10日で差押え可。納期限から1年を過ぎると窓口10割の特別療養費(国民健康保険法第54条の3)、給付の差止め(第63条の2) | 延滞金 年2.8%、1か月を過ぎると年9.1% | 同上 | 減免は納期限まで。滞納分は分納 |
| 国民年金 | 督促状の指定期限を過ぎると延滞金、差押え(国民年金法第96条・第97条)。未納期間は受給資格期間に入らない | 延滞金 3か月まで年2.8%、以後年9.1% | 日本年金機構が差押え | 免除・納付猶予の申請で0円にできる |
| 所得税・消費税 | 納期限から50日以内に督促状(国税通則法第37条)、発送日から10日経過で差押え可(国税徴収法第47条) | 延滞税 2か月まで年2.8%、以後年9.1% | 税務署が裁判所なしで差押え | 納税の猶予・換価の猶予で止まる |
| 家賃 | 催告して相当期間内に払わなければ解除できる(民法第541条)。裁判例では3か月程度の滞納が目安とされることが多いが、この記事では判例原文は未確認 | 遅延損害金は消費者契約で年14.6%が上限(消費者契約法第9条第1項第2号) | 明け渡しには判決などの債務名義と強制執行が要る(民事執行法第22条) | 大家・保証会社に連絡して支払日を決める |
| 電気・ガス | 支払期限日は検針日の翌日から30日目。期限を20日過ぎると事前通知のうえ送電停止の可能性(東京電力エナジーパートナー。同社のガスも同様) | 延滞利息 年10%(1日約0.03%) | 事業者の判断で停止。裁判所不要 | 事業者に連絡して支払日を伝える |
| カードローン・リボ | 返済日から61日以上または3か月以上の遅れで信用情報に「異動」、契約終了後5年残る(CIC) | 遅延損害金は年20%が上限(利息制限法第7条) | 差押えには判決などの債務名義が必要。給与は4分の3が差押え禁止(民事執行法第152条) | 業者に連絡。返せないなら法テラス・債務整理 |
税金・国保・年金は罰が重く強制力が速い代わりに「連絡で止まる」制度が法律にあり、家賃と電気は相手が民間なので裁判所の手続きか事前通知が挟まり、借金は財産を取られるまでの距離がいちばん遠い。この構造から順番が決まります。
督促状の発送日から10日を過ぎた滞納は、法律上いつ差し押さえられてもおかしくない状態です(地方税法第331条第1項、国税徴収法第47条第1項)。差し押さえは市区町村や税務署が裁判所なしで実行し、勤務先や取引先への照会で給与や売掛金の存在がわかります。ここに現金を入れるより先に、電話で「一括では払えないので分割にしたい」と伝えて約束を取ります。約束が入った滞納は実務上ほとんど差し押さえに進まず、猶予が通れば延滞金も減ります。電話の言い方と猶予の種類は住民税が払えない時の分割納付に書きました。
その週に払う額は、約束した分納の1回分だけです。1回分を確実に払えば、残りの現金を家賃と電気に回せます。
家賃、電気・ガス、次に来る税と保険の納期は、額も期日も決まっています。ここは順番を迷うより、期日の早い順に「その日までに必要な額」を確保する方が確実です。
家賃は、払わないと大家が催告し、相当期間を過ぎれば契約を解除できます(民法第541条)。明け渡しを強制するには判決などの債務名義と強制執行が必要です(民事執行法第22条)。遅れた分の損害金は、消費者契約なら年14.6%が上限です(消費者契約法第9条第1項第2号)。1か月分が遅れた段階で大家か保証会社に連絡し、支払日を伝えれば、多くの場合はそこで止まります。
電気は、東京電力エナジーパートナーの案内では支払期限日が検針日の翌日から30日目、期限を過ぎると年10%の延滞利息、期限を20日過ぎると事前に知らせたうえで送電を止めることがある、とされています。同社のガス契約も同じ扱いです。検針日から数えると50日で停止の線が来ます。東京ガスの案内はこの記事の確認時点で開けず、未確認です。
次の納期が近い税や国保は、滞納にする前に払えば延滞金も督促もありません。納期の一覧は国民健康保険が払えない時の減免・軽減・分納に三鷹市の実例で載せています。
国民年金は令和8年度の保険料が月17,510円。前年の所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下なら全額免除、50歳未満なら納付猶予、失業・倒産・事業の廃止なら本人の前年所得を除いて審査する特例があり、納付期限から2年以内の未納分にも遡って申請できます(日本年金機構)。免除期間は受給資格期間に入り年金額に2分の1が反映されますが、未納は入らず、督促状の指定期限を過ぎると延滞金(3か月まで年2.8%、以後年9.1%)と差し押さえの対象です(国民年金法第96条・第97条)。年金と国保のどちらを守るかは国民年金と国民健康保険、両方払えない時の優先順位に分けて書きました。
カードローンやリボは、返済日から61日以上または3か月以上の遅れで信用情報に「異動」が登録され、契約終了後5年間残ります(CIC「信用情報開示報告書の各項目の説明」)。遅延損害金は年20%が上限です(利息制限法第7条)。ただし貸金業者が財産を差し押さえるには判決などの債務名義が要り(民事執行法第22条)、給与の4分の3は差し押さえられません(第152条)。役所のように自ら差し押さえることはできないので順番は最後で、返せないなら業者に連絡して返済日を動かすか、法テラスや弁護士会で債務整理を相談します。借金を返すために税金を滞納するのが、いちばん損な組み合わせです。
順番が決まれば、今週の入金をどこまで送るかは割り算です。滞納の分納、家賃、電気、次の国保を「期日までの残り週数」で割り、今週分だけを別口座に送ります。
翌週も同じ計算をすれば、家賃日には口座に65,000円が揃います。入金が少ない週は順番の下から削り、削るのは借金の返済と目標の積み立てで、滞納の分納と家賃は削りません。
よくある失敗は3つです。全部に少しずつ払って全部を滞納にする。借金の引き落としを守るために国保を落とす。年金の免除を申請せず、未納のまま放置して督促状を受け取る。
督促状が来ている税金は、払うより先に納税課へ連絡します。督促状の発送日から10日を過ぎると裁判所の手続きなしで差し押さえができる状態になりますが(地方税法第331条・国税徴収法第47条)、分納の約束や猶予の申請が入った滞納は実務上ほとんど差し押さえに進みません。家賃は民法第541条の催告と相当期間を経て解除の対象になり、明け渡しには判決などの債務名義と強制執行が要ります。手元の現金は、連絡で線から外した税金の分納額と、家賃の期日までに必要な額に分けて置きます。
国民年金は免除・納付猶予の申請で合法的に0円にでき、失業や廃業なら本人の所得を除いて審査する特例もあります(日本年金機構)。国民健康保険には免除がなく、減免は納期限までの申請、滞納が納期限から1年を過ぎると窓口でいったん10割を払う特別療養費に切り替わります(国民健康保険法第54条の3)。年金は申請で解決し、現金は国保に回すのが順番です。
返済日から61日以上または3か月以上の遅れで信用情報に「異動」が登録され、契約終了後5年間残ります(CIC)。遅延損害金は年20%が上限です(利息制限法第7条)。ただし貸金業者が財産を差し押さえるには判決などの債務名義が必要で(民事執行法第22条)、税金のように役所が自ら差し押さえることはできません。税と保険料の線を先に外し、借金は業者に連絡して返済日の相談か、法テラスなどで債務整理を検討します。
この記事の順番は「滞納→決まって出る金→借金→緊急資金→目標」の5段です。「今週消す額」は、入金を入れるたびに、滞納の分納・家賃や光熱費・税と保険と年金の納期・借金の返済を12週先まで並べ、期日までの残り週数で割って「今週専用口座に送る額」をこの順番で出す無料のWebアプリです。差し押さえの線にいちばん近い支払いが常に先頭に来て、足りない週は下から削られます。アカウント不要で、三鷹市・東京23区の納期プリセットが入っています。
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いずれも2026-09-12に確認。
家賃の解除に関する裁判例の傾向と東京ガスの供給停止の運用は、この記事の確認時点で原文を開けなかったため未確認です。制度の運用や窓口は自治体・事業者ごとに異なります。この記事は法令と公的機関・事業者の公開情報をもとにした一般的な説明で、個別の税務・法律相談ではありません。