KANAU WORKS / KONSHU KESU GAKU
住民税の納付書が払えないまま止まっているなら、今日やることは3つです。
住民税(市町村民税・道府県民税)を自分で納める普通徴収は年4回。地方税法第320条で納期は6月・8月・10月・1月と決まり、実際の日付は自治体の条例で定めます。実例として三鷹市の令和8年度は6月30日・8月31日・11月2日・令和9年2月1日です。
納期限を過ぎると、市区町村は納期限後20日以内に督促状を出さなければなりません(地方税法第329条)。そして督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、財産を「差し押えなければならない」と書かれています(第331条第1項)。「できる」ではなく義務です。法律上の最短は、納期限からおよそ1か月ということになります。
実際には催告書や電話が挟まることが多く、新宿区は督促状の後に納付案内センターから電話とSMSで案内すると公表しています。ただしそれは法律上の必須手順ではなく、自治体の運用です。
差し押さえに裁判所の手続きは要りません。市区町村の徴税吏員は勤務先や金融機関に照会をかけ(国税徴収法第141条の例による)、給与・預金・生命保険・自動車・不動産を差し押さえます。差し押さえの中身と守られる財産は、税金の滞納で差し押さえはいつ来るかにまとめています。
納期限の翌日から1か月までは年2.8%、1か月を過ぎた日からは年9.1%です(令和8年1月1日〜12月31日。地方税法附則第3条の2の特例による割合で、令和7年までの2.4%・8.7%から上がりました)。
| 期間 | 令和7年 | 令和8年 |
|---|---|---|
| 納期限の翌日から1か月まで | 年2.4% | 年2.8% |
| 1か月を過ぎた日以降 | 年8.7% | 年9.1% |
三鷹市が公開している計算式は「未納税額×0.028×a÷365 + 未納税額×0.091×(b−a)÷365」。aは最初の1か月の日数、bは納付日までの日数で、100円未満は切り捨てます。10万円を90日遅れで払うと230円+1,496円で1,700円。半年遅れなら約4,000円です。未納額が2,000円未満なら延滞金はつかず、計算のもとになる額は1,000円未満を切り捨てます。
延滞金の額そのものより、9.1%に切り替わる前に分納の約束を入れて、差し押さえの線から外れることが先です。
いちばん多い入口です。法律上の猶予ではないので延滞金は止まりませんが、約束どおり払っている間は滞納処分に進めないのが通常の運用です。三鷹市は「分割での納付方法のご案内」、新宿区は「納付案内センターへの電話相談」として案内しています。
災害や盗難、本人や生計を同じくする家族の病気やけが、事業の廃止・休止、事業の著しい損失に当たり、一時に納付できないとき。申請により1年以内(やむを得ない理由があれば延長して合計2年まで)の分割納付になり、猶予期間中の延滞金は一部または全部が免除されます(第15条の9)。
一時に納付すると事業の継続や生活の維持が困難になるおそれがあり、納税に誠実な意思があるとき。納期限から条例で定める期間内(新宿区は納期限から6か月以内)に申請し、1年以内で各月に分割して納付します。申請する税以外に滞納があると原則として認められないので、複数年度が溜まる前に動くことが条件になります。
このほかに減免があります。三鷹市の個人市民税の減免は、生活保護を受けている、解雇等で所得が皆無かそれに近い、災害で大きな損害を受けた、などが対象で、申請は納期限までです。納期限を過ぎた分は対象になりません。
窓口は市区町村の納税課です(課の名前は自治体で異なります)。三鷹市は市民部納税課 納税整理係 0422-29-9210、新宿区は納付案内センター 03-5273-4311で、猶予の申請は滞納対策課徴収係 03-5273-4509が窓口です。
持ち物は、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード)、納税通知書か督促状、直近の収入がわかるもの(給与明細・通帳)、家賃や光熱費など毎月の支出のメモ。猶予の申請には財産目録や収支の明細が要ります。代理人が行くなら委任状で、三鷹市は本人の自署が必要です。
額は「毎月確実に払える額」で言うこと。多めに言って途中で落とすと約束が切れ、次は差し押さえに進みやすくなります。
督促状の封筒を開けない。発送日から10日で差し押さえの要件が整うので、開けないと線が見えません。
守れない額で約束する。1回落とすと約束が切れ、次の相談で信用が残りません。
古い年度を後回しにして、今年度の期も落とす。換価の猶予は「他に滞納がないこと」が条件です。
減免を納期限の後に申請する。三鷹市のように納期限までが条件の自治体が多く、期限後は受け付けられません。
給与振込口座に生活費を置いたままにする。給与そのものには差し押さえ禁止の計算(国税徴収法第76条)がありますが、口座に入った後は預金として扱われるのが一般的な運用です。かといって隠せば滞納処分免脱(国税徴収法第187条)に当たります。やることは、先に分納を約束することです。
分納の約束は「毎月いくら」で決まりますが、週払いや日払いで働いていると、給料日と納期がずれて手元に残らないのが実態です。「今週消す額」は、入金を入れるたびに、滞納の分納・次の納期・国保や年金の期日を12週先まで並べ、期日までの残り週数で割って「今週専用口座に送る額」を出す無料のWebアプリです。滞納→決まって出る金→借金の順に積むので、差し押さえの線にいちばん近い支払いが常に先頭に来ます。アカウント不要で、三鷹市・東京23区の納期プリセットが入っています。
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制度の運用や窓口の名称は自治体ごとに異なります。この記事は法令と自治体の公開情報をもとにした一般的な説明で、個別の税務相談ではありません。手元の通知書と、お住まいの市区町村の案内を正としてください。