KANAU WORKS / KONSHU KESU GAKU

国民健康保険が払えない時の減免・軽減・分納の手順

2026年9月11日 / 一次資料の確認日 2026-09-11 / KANAU WORKS

国民健康保険(国保)の納付書が払えないなら、今日やることは3つです。

  1. 今月の納期限が来る前に、保険課へ減免の申請を出す。三鷹市は「納期限が過ぎた国保税は減免されません」と明記しています。線は納期限です。
  2. 倒産・解雇・雇い止めで辞めた人は、雇用保険受給資格者証を持って「非自発的失業者の軽減」を申請する。前年の給与所得を3割とみなして計算し直すので、保険料が大きく下がります。
  3. すでに納期限を過ぎた分は、納税課に電話して分割の約束を取る。減免の窓口と分納の窓口は別の課です。両方に連絡します。

「税」でも「料」でも、滞納の順序は同じ

自治体は国民健康保険税(地方税法第703条の4)か国民健康保険料(国民健康保険法第76条)のどちらかで徴収します。三鷹市は税、東京23区は料です。税なら督促状は納期限後20日以内(地方税法第726条)、督促状を発した日から起算して10日を経過すれば差し押さえ(第728条)。料でも地方自治法第231条の3により、督促の期限を過ぎれば地方税の滞納処分の例で差し押さえができます。延滞金は令和8年は最初の1か月が年2.8%、それ以降が年9.1%。計算の仕方は住民税が払えない時の分割納付に書いたものと同じです。

納期は年8回が一般的で、三鷹市の令和8年度は7月31日・8月31日・9月30日・11月2日・11月30日・令和9年1月4日・2月1日・3月1日。毎月末に来るので、1回落とすと翌月にもう1回分が重なります。

滞納が続くと、保険そのものが縮みます。市区町村は保険給付の全部または一部を一時差し止めることができ(国民健康保険法第63条の2)、納期限から1年(同法施行規則第27条の4の3)を過ぎても、納付の勧奨や相談の機会を設けてなお納めない世帯は、医療機関の窓口でいったん10割を払い、後から申請で払い戻す「特別療養費」の扱いに切り替わります(第54条の3)。18歳以下の子どもと、災害などの特別の事情がある場合は除かれます。三鷹市は「資格確認書の返還請求、保険給付の一部差し止め、滞納処分を受けることがある」と案内しています。

保険料を減らす制度は3つ

1. 法定軽減(7割・5割・2割)

世帯の前年所得が基準以下なら、均等割が自動で減ります(国民健康保険法施行令第29条の7)。令和8年度の基準は次のとおりで、三鷹市も同じ額で案内しています。

世帯の前年所得の合計減額
43万円+10万円×(給与所得者等の数−1)以下均等割の7割
上の額+31万円×被保険者数 以下均等割の5割
上の額+57万円×被保険者数 以下均等割の2割

申請は不要ですが、前年の所得の申告がないと判定されません。収入がなくても住民税の申告を出しておくことが条件です。

2. 非自発的失業者の軽減

倒産・解雇(特定受給資格者)や雇い止め(特定理由離職者)で離職した65歳未満の人は、離職日の翌日から翌年度末まで、前年の給与所得を100分の30とみなして計算します(施行令第29条の7の2)。三鷹市の必要書類は、雇用保険受給資格者証(離職理由コード11・12・21・22・31・32、または23・33・34)、資格確認書、マイナンバーの確認書類。自己都合退職は対象外です。

効き方の概算を三鷹市の令和8年度の率(40歳未満・単身)で出すと、前年の給与所得が300万円なら、基礎控除43万円を引いた257万円に所得割8.7%をかけて約22万4千円、均等割約4万3千円を足して年約26万6千円です。軽減が通ると給与所得は90万円とみなされ、所得割は約4万1千円に下がり、所得が100万円以下になるので均等割の2割軽減も同時にかかって年約7万5千円。同じ人で年19万円の差が出ます。申請しなければ満額のまま納付書が来ます。

3. 減免(申請制・条例)

災害、世帯主の死亡や障がい、失職や廃業、病気で収入が著しく減って生活困窮に至った場合に、条例に基づいて減免や徴収猶予ができます(国民健康保険法第77条、国保税は地方税法第717条)。三鷹市は「必ず減免できるものではない」「各納期限までに申請」「生活困窮を証明する資料が必要」の3点を明記しています。

窓口と持ち物、電話の言い方

軽減と減免は保険課(三鷹市は保険課国保加入係、市役所本庁舎1階9番窓口)。すでに滞納した分の分納は納税課(三鷹市は納税課納税整理係 0422-29-9210)。役割が分かれているので、両方に電話します。

持ち物は、本人確認書類、納税通知書、離職した人は雇用保険受給資格者証、収入がわかるもの(給与明細・通帳)、減免なら生活困窮を示す資料(離職票・診断書・収支のメモ)。

保険課へ(軽減・減免)「国保の保険税が払えません。〇月に会社都合で離職したので、非自発的失業者の軽減を申請したいです。雇用保険受給資格者証は手元にあります。今月末の納期限の分も減免の対象になるか教えてください」
納税課へ(分納)「第2期と第3期が未納です。一括では無理なので、毎月〇〇円の分割にしてもらえませんか。差し押さえは避けたいので、今日約束したいです」

分割の額は「毎月確実に払える額」で言います。国保は毎月納期が来るので、分納の額と当月分を足した合計が払えるかで決めてください。

よくある失敗

所得の申告を出していない。収入ゼロでも申告がないと法定軽減がつかず、満額で課税されます。

減免を納期限の後に出す。三鷹市のように期限後は受け付けない自治体が多く、その期の分は減免の対象から外れます。

病院に行くのをやめる。特別療養費に切り替わっても、窓口で払った後に申請すれば保険分は戻ります(施行規則第27条の5)。受診を止めるほうが後で高くつきます。

世帯主が加入していないから関係ないと思う。国保の納税義務者は世帯主です。本人が会社の保険でも、同じ世帯に国保の人がいれば世帯主に納付書が来ます。

勤め先の社会保険に入れるのに国保のまま。加入できるなら切り替えて、国保の脱退届を出します。二重に払った期間は戻せますが、放置すると国保の滞納だけが残ります。

今週いくら送れば間に合うかを出す

国保は毎月末、住民税は年4回、年金は毎月。週払いや日払いで働いていると、給料日と納期がずれて、払える週に払えない月が来ます。「今週消す額」は、入金を入れるたびに、滞納の分納・国保の次の期・住民税や年金の期日を12週先まで並べ、期日までの残り週数で割って「今週専用口座に送る額」を出す無料のWebアプリです。滞納→決まって出る金→借金の順に積むので、差し押さえの線にいちばん近い支払いが常に先頭に来ます。アカウント不要で、三鷹市・東京23区の納期プリセットが入っています。

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参考(一次資料)

保険料率、軽減・減免の条件、窓口の名称は自治体ごとに異なります。この記事は法令と自治体の公開情報をもとにした一般的な説明で、個別の相談ではありません。手元の納税通知書と、お住まいの市区町村の案内を正としてください。