「衣装は経費になりますか」という聞き方をすると、答えは出ません。経費になるかどうかは、品目ではなく記録で決まるからです。
家事上の費用は必要経費となりませんが、個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費)となるものがあります。この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合の、その区分できる金額に限られます。
国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費の知識
夜職の経費は、ほとんどが家事関連費です。ドレスは仕事でも私服でも着られる。美容院は仕事のためでもあり、自分のためでもある。タクシーも同じです。
だから、通るかどうかを決めるのは「その品目が認められるか」ではなく、業務のために使った部分を、記録で区分できるかです。
| 記録 | 強さ |
|---|---|
| 3/12 ヘアセット 5,500円/レシートあり/出勤前 | 強い |
| 3/12 タクシー 3,200円/レシートあり/田中様と同伴の送り | 強い |
| 3/12 ドレス 24,000円/レシートあり/同伴用 | 強い |
| 3月 衣装 18,000円 | 弱い |
| 化粧品 いくらか | 認められません |
違いは金額ではありません。いつ・いくら・何のために・誰のためにが残っているかどうかです。
私用と仕事で両方使うものは、業務に使った割合だけを経費にします。これを家事按分といいます。
割合に決まった正解はありません。大事なのは、その割合にした理由を説明できることです。出勤日数から計算した、といった根拠を一緒に残しておきます。
特定の相手に継続して仕事をしている人には、実際の経費が65万円に届かなくても65万円まで必要経費として認められる特例があります(措法27・家内労働者等の必要経費の特例)。
1店舗に専属で出ているなら、当てはまる可能性があります。実額が65万円を超えるまでは、こちらのほうが有利です。
給与収入が65万円以上あると使えません。また「特定の者に対して継続的に」という条件なので、複数店を掛け持ちしていると対象外と判断されることがあります。使えるかどうかは税務署か税理士に確認してください。
過去のレシートは戻ってきませんが、今日からの分は残せます。買った瞬間に、金額と一緒に「誰のため・何のため」をメモしておくだけで、その支出は強い経費になります。
出典:国税庁タックスアンサー No.2210 必要経費の知識/No.1810 家内労働者等の必要経費の特例(令和7年4月1日現在法令等)
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