「ガチャ依存」という病名はありません。だからといって放置してよい状態でもありません。WHOの国際疾病分類ICD-11に載っているのは「ゲーム障害」で、課金行動そのものの病名ではない。一方で、生活費を削る・借金をする段階なら病名の有無に関係なく相談窓口は使えます。このページは、病名の線引き、受診の目安、窓口の一覧、自分でできる4段階の順番をまとめたものです。医学的な診断はできませんので、判断は医療機関に委ねてください。
このページは治療の情報ではありません。診断・治療は医師の領分です。ここで書くのは「病名の線引き」「窓口の場所」「自分でできる範囲の順番」の3つだけです。
WHOは2018年9月14日に、ゲーム障害(gaming disorder)を国際疾病分類の第11版(ICD-11)に含めたと発表しました。WHOのQ&Aページにある定義は、次の3つの特徴を持つゲーム行動のパターンです。
そのうえで、この行動パターンが個人・家族・社会・学業・職業などの機能に著しい障害をもたらすほど重く、通常は少なくとも12か月続いていることが条件とされています。WHOはまた、ゲーム障害はデジタルゲームやビデオゲームをする人の「ごく一部にしか当てはまらない」とも書いています。
ここで大事なのは、定義の対象が「ゲーム行動」であって「課金行動」ではないことです。ガチャに使う金額が大きいこと自体は、ゲーム障害の定義には含まれていません。つまり「ガチャ依存」「課金依存」という病名はICD-11にはなく、日常語です。
線引きの基準は「課金の量」ではなく「生活への影響」です。次の表で自分の行に印をつけてください。
| 状態 | 目安 | まずやること |
|---|---|---|
| 収入の範囲で課金しているが、後悔が続く | 自分でできる範囲 | 下の4段階を順番に。2〜3か月続かなければ相談へ |
| 生活費・貯金を削って課金している | 相談窓口と並行 | 4段階の「物理ロック」を今日やる。保健所か精神保健福祉センターに電話 |
| 借金・後払い・リボで課金している | 相談窓口を先に | お金の相談(消費者ホットライン188)と、依存の相談の両方 |
| 家族や職場に隠している・嘘をついている | 相談窓口を先に | 隠す行動は自分だけで戻しにくい。精神保健福祉センターへ |
| ゲーム時間も制御できず、仕事・学業に支障が12か月近く続く | 医療機関 | WHOのゲーム障害の定義に近い。専門外来の受診を検討 |
久里浜医療センターは、ゲーム行動症のスクリーニングテスト(GAMESテスト、IGDT-10など)を公開していますが、同センターは「医師による診断とは性質が異なり、主に早期介入や予防に用いられる」と明記しています。テストの点数で自己診断はせず、受診の判断材料の1つとして使ってください。
厚生労働省の依存症対策ページは、相談先として保健所、精神保健福祉センター、依存症相談拠点の3つを挙げています。どれも公的機関で、相談に費用はかかりません。
| 窓口 | 何をしてくれるか | 連絡先 |
|---|---|---|
| 保健所 | こころの健康・保健・医療・福祉に関する相談。アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症の家族相談など | 住んでいる市区町村の保健所(自治体サイトで検索) |
| 精神保健福祉センター | 依存症を含むこころの相談を電話や面接で受ける。各都道府県・政令指定都市に設置 | 都道府県名+「精神保健福祉センター」で検索 |
| 依存症相談拠点 | 依存症相談員を配置した相談拠点。都道府県・指定都市が設置を進めている | 依存症対策全国センターの「全国の相談窓口・医療機関を探す」で検索 |
| こころの健康相談統一ダイヤル | かけた地域の都道府県・政令指定都市の公的な相談機関につながる | 0570-064-556(ナビダイヤル。曜日・時間は都道府県で異なる) |
| 消費者ホットライン | お金のトラブル。最寄りの消費生活センターにつながる | 188(相談は無料、通話料は窓口につながった時点から発生) |
| 久里浜医療センター インターネット依存治療部門(TIAR) | ネット・ゲーム依存の専門外来。臨床心理士のインテーク(約1時間)→医師の診察 | 初診予約専用ダイヤル 046-876-6591(受付日は公式サイトで告知) |
どこに電話すればいいか分からないときは、こころの健康相談統一ダイヤルか、依存症対策全国センターの検索ページから始めます。「ガチャの課金がやめられない」とそのまま言って構いません。
相談窓口を使う人も使わない人も、この4段階は共通です。順番が大事で、後ろの段階から始めると衝動の日に全部崩れます。
「ガチャ依存」「課金依存」という病名はWHOのICD-11にはありません。医療機関で扱われるのは、ゲーム行動の制御ができない・ほかの活動より優先する・悪影響があっても続けるという状態が続く「ゲーム障害(ゲーム行動症)」などです。課金だけが問題でゲーム時間は普通という場合でも、生活費や借金に影響しているなら、保健所や精神保健福祉センターへの相談は病名の有無に関係なくできます。
目安は3つです。生活費や貯金を削って課金している、借金や後払いで課金している、家族や職場に隠している。1つでも当てはまるなら、自分でできる対策と並行して相談窓口を使ってください。どれにも当てはまらず、課金額が自分の収入の範囲で収まっているなら、まず物理ロック・通知遮断・代替行動・記録の4段階を試し、2〜3か月続かなければ相談に切り替えます。
保健所・精神保健福祉センター・依存症相談拠点は公的機関で、相談自体に費用はかかりません(電話の通話料は別)。本人からの相談で家族に連絡が行くことはありません。医療機関の受診は保険診療の自己負担がかかり、久里浜医療センターのインターネット依存治療部門は初診予約専用ダイヤル(046-876-6591)での予約制です。
ガチャ断ちは、4段階のうち「物理ロックの設定ガイド」「代替行動(15分タイマー・60秒の深呼吸)」「記録(やめた日数と守れたお金のカウンター)」を1画面にしたiPhoneアプリです。相談窓口の代わりにはなりませんが、相談に行くまでの間、行った後の毎日を支える道具として使えます。アカウント不要で、記録は端末の中だけに保存されます。
基本無料・買い切りPro ¥1,000 | アカウント不要・データは端末内保存
いずれも2026-09-12に確認。