REBOOT GUIDE
今日やることは二つ。昨日のことを記録に残すこと。今夜、スマホを寝室の外で充電すること。この記事は、ポルノを断って90日のあいだに起きると報告されていることを週ごとに並べた地図です。保証ではなく地形として読んでください。
下の表は、掲示板の断ち記録104本を分析した査読論文(Fernandez ほか, 2021)と、当事者の記録に共通して出てくる流れをまとめたものです。個人差が大きく、順番どおりに来ない人も多いことを前提に読んでください。
| 時期 | 一般に報告されること | その週にやること |
|---|---|---|
| 1週目 | 衝動がいちばん頻繁。落ち込み・気分の波・不安・頭の重さ・疲れ・頭痛・不眠・落ち着かなさが報告される。若い層ほどこの時期の不調を書き残す傾向 | 意志の話をしない。充電器を寝室の外に出す。入口になっているブックマークとアカウントを消す |
| 2週目 | 衝動の間隔が空き始める人が出る。一方で「これが最後なら」という言い訳が頭に浮かぶ | 危なかった瞬間の「曜日・時刻・直前に何があったか」を書く。効いた道具を1つ決める |
| 3〜4週目 | 凪。衝動が減り、記録アプリを開く手が億劫になる。性欲が一時的に落ちる「フラットライン」もこの前後で報告される | 調子がいい日ほど淡々と記録を続ける。装備(充電器・消灯時刻・ミュート)を外さない |
| 5〜6週目 | 「何も起きなかった日」が増える。同時に、再発の前兆(夜更かしの復活・グレーゾーンの二度見)が静かに始まりやすい | 前兆トップ3を書き出し、「もし〜なら、こうする」を先に決める |
| 7〜9週目 | 集中・落ち着き・時間の余裕を挙げる記録が増える。ただし論文は「それがポルノをやめたこと自体の効果かは確定できない」と明記 | 戻ってきたものを数える。他人の90日と比べない |
| 10〜13週目 | 波は「たまに来る」に変わる。数字への執着が薄れる人と、逆に数字が重荷になる人に分かれる | 91日目からの形を作る。続ける道具と卒業する道具を分ける |
1〜2週目に出る不調は、上の論文で「depression, mood swings, anxiety, brain fog, fatigue, headache, insomnia, restlessness」と列挙されています。研究者はこれをwithdrawal-like(離脱に似た)と慎重に呼んでいて、薬物の離脱症状と同じものだと断定していません。ここで大事なのは、不調が出ること自体は失敗の兆候ではないという点です。多くの人が通る坂だと知っていれば、「体に悪いことをしているのでは」という不安で戻る必要がなくなります。
2週間以上続く強い落ち込みや、眠れない日が続く場合は、断ちとは別の原因があることもあります。その場合は次の見出しの相談先へ。
断っている途中で性欲がごっそり落ちる時期を、当事者コミュニティは「フラットライン」と呼びます。論文にも「a significant decrease or loss of libido during abstinence(断ち期間中の性欲の顕著な低下または消失)」として出てきます。医学用語ではありません。いつ戻るか分からないことが不安の種になると書かれていて、そこで「確かめるために見る」に走るのが典型的な転び方です。戻る時期には個人差があり、確かめる必要はありません。
記録を取っている人の多くが、最初から見ようとして見たわけではないと書きます。論文の引用にこういう一文があります。
時間帯なら夜、ベッドの中、目的のないスマホ。時期なら凪が来た3〜4週目と予定のない週末の夕方。外側の引き金としては、SNS・動画・広告・出会い系のような「グレーゾーン」が挙げられています。対策は意志ではなく、その時間にスマホが手元にない状態を先に作ること。だから今日やることが「充電器を寝室の外に出す」なのです。
ありません。90日は脳が生まれ変わる期限ではなく、新しい行動が「我慢すること」から「普通のこと」に変わるのにそれくらいかかる、という経験則です。研究者も、断ちの後で感じる良い変化について「ポルノをやめたこと自体の結果かどうかは、追跡調査なしには明確に確立できない」と書いています。生活習慣の改善や自己規律の高まりが効いている可能性もある、ということです。裏返せば、90日で何も変わらなくても失敗ではないし、90日を待たずに楽になる人もいます。
WHOの国際疾病分類ICD-11には「強迫的性行動症(compulsive sexual behaviour disorder)」という項目があり、「強い性的衝動を制御できない持続的なパターンが長期間(例: 6か月以上)続き、生活の重要な領域に著しい苦痛や支障をもたらす」ものと記載されています。同時に、「性的な衝動や行動に対する道徳的な判断や非難に関する心理的苦痛だけで診断してはならない」とも書かれています(Kraus ほか, 2018)。
つまり「見てしまって自己嫌悪」だけでは病気ではありません。自分を責める材料にする必要はない。ただし、仕事や人間関係に支障が出ていて自分では止められないと感じるなら、それは工夫の範囲を超えているかもしれません。
相談先: 各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター(依存症を含むこころの相談窓口)。一覧は全国精神保健福祉センター長会にあります。
90日のどこかで転ぶ人のほうが多い。そのとき一番危ないのは「どうせ台無し」で連続して崩れることです。転んだ日の扱いは別記事失敗した日の立て直し方にまとめました。入口を物理的に塞ぐ手順はiPhoneでアダルトサイトを自分用にブロックする設定にあります。
リブートは、上の90日を1日1話(2〜3分)の読み物にして、朝1タップの誓約と夜30秒のチェックインで続けるiPhoneアプリです。衝動が来た時刻は記録に残り、週に1回、AIが「衝動が集中している時間帯」と来週の一手を出します。転んでもそれまでの最長記録と越えた回数は消えません。アカウント不要、記録は端末の中だけ。1〜7日目は無料で読めます。
App Storeでリブートを見るiPhone向け | 8日目以降・AI週次レポートはPro(週¥400/年¥2,900・年額は3日無料)